Tadasu Oyama

業 績Works


ここでは、大山先生の著作を中心に、主な業績(Works)として紹介いたします。(市川伸一)

著書・翻訳書 Books

大山先生は、30~40代のころからすでに心理学の教科書や解説書を多く公刊されていました。とくに、1960~70年代に東京大学出版会から刊行された『講座 心理学』や『心理学研究法』の大部なシリーズを始めとして、感覚・知覚分野や実験法、心理測定、心理統計についてわが国のスタンダードとなった解説書の編著者となっています。また、有斐閣の『心理学の基礎知識』『心理用語の基礎知識』は、大学院受験の必須テキストとなり、この編者のお一人として大山先生の名前をご覧になった方は、心理学の全分野にわたってかなり多いはずです。

1980年代以降は、心理学全体にわたるテキストやシリーズの企画や監修にあたられることが多くなり、その中で知覚分野に関する巻をとくに執筆・編集されています。2000年代にはいると、さらに研究法、心理学史などの監修が増え、晩年の『元良勇次郎 著作集』の編纂はその一つの表われです。また、単著として刊行された、『色彩心理学入門 ―ニュートンとゲーテの流れを追って―』(1994)、『視覚心理学への招待』(2000)、『知覚を測る ―実験データで語る視覚心理学―』(2010)、『心理学史 ―現代心理学の生い立ち―』(2010)には、大山先生が情熱をかけて取り組んで来られた研究が、入門者にもわかりやすい書きぶりで描かれています。

論文 Articles

大山正先生の学術論文の一覧です。大山先生の研究の中心は何といっても視知覚分野ですが、その中でも領域は多岐にわたっています。

初期の論文は、1950年代(先生が20代後半ごろ)に発表されています。ある図形を見続けることが後続する図形の見え方に影響するという「図形残効」に関するものが多く、大山先生の実験心理学研究の出発点とも言えます。

その後、1960~70年代には、錯視、恒常性、明るさ知覚、色彩など多岐にわたる視覚現象に対する緻密な要因分析を行った研究が多く生まれます。英文の論文が海外の学術雑誌にも発表されるようになりました。その後、日本の視覚研究は世界的にも認められるような「お家芸」のようになりますが、それをリードする役割を果たしたのがこのころの大山先生だったと言えるでしょう。

1980~90年代は、マスキングや反応時間といった新しい実験・測定手法を取り入れて視覚情報処理を解明しようとする研究が見られるようになります。伝統的な視覚研究ではあまり使われなかったセマンティック・ディファレンシャル法、因子分析、多次元尺度法、偏相関分析などを取り入れた斬新な研究も見られます。

2000年代以降の大山先生は、長年の知覚研究に基づく研究法や理論についての考察とともに、心理学史への関心が強くなっていきます。とくに、日本での心理学の先達である元良勇次郎がどのように精神物理学を導入したかに強い関心をもたれ、「元良勇次郎著作集」を編集・公刊したことは、晩年の大きなお仕事になりました。

こうした大山先生の研究の足跡を展望してみると、あらためてその広さと深さに驚くとともに、分野にかかわらず研究者としての生き方、生きがいにどなたも感銘を受けるのではないでしょうか。また、さらに大山先生の業績についての詳しい解説がこのサイトのAboutにある追悼文には掲載されていますので、合わせてご参照ください。

英語論文 English Articles

上記の論文(Articles)の中から、英語で執筆されたものだけを抜粋しました。

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